対岸の彼女
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10/10
- メディア: 文庫
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「人間関係って、大変だよね。でも、人間は大抵誰とも関わらずには生きていけないから、がんばらないとだよね。自己嫌悪もたくさんあるけれど、その中のベストと思える道をすすんでみて、それでもダメだったりもするかもしれないけれど、うまく調整して、人生をやり過ごしたいよね。できたら自分の思うようにも生きてみようよね。」という話しだったような。
鈍感だからか、ラッキーだからか、ずるいからか、私はここまでトラウマになるほど他人との関係に悩んだことはないんだけれど、(多少はそれでもあるけれど)こういう状況に陥ってしまう場合もあるのはすごくわかる。恐ろしい。
自分勝手に適度にわがままに人と付き合ってきたのに、いじめられたり、仲間外れにされたり、それで生きていくのがつらい状態になったことがないのは、やっぱりラッキーなんだろうな。私の周りの皆さん、ありがとう。
この間の上野千鶴子の「サヨナラ、学校化社会」で書いてあったけれど、「世の中は、万人に平等である風を装っているだけで、本当は全然平等なんかじゃない。生まれもった環境や、状況によって、はじめから不利な状況にいる人間はいくらでもいるわけで、その状況から始めた人が世の中にでるのに、苦労をしたり、悪い状況しか与えられなかったりするのに、万人が平等だというのを無理矢理信じ込まされるのだ。」みたいなのが、頭によみがえってきた。「ほめられ続けてきた人はどんどん自信を持って上に行けるし、否定され続けた人は、あきらめが常だからがんばれなくなるし。東大の学生は、まわりの否定され続けた人がいるからこそ褒められ続けてここにいるわけで、そこも考えなさいよ。」みたいなの。
なんだかどんどん本の感想じゃなくなってきているけれど、けっこう心の柔らかい場所をついてくる話だった。
みんな弱いところを守りながら生きているのよね。学生時代の人間関係の中での自分の立ち位置を引っ張ってしまったりするのよね。どんどんまわりが立場がかわってくるとさらに複雑になるよね。と。
みんなベストをつくして生きているのよね。