日々のつれづれその3

細々と続けてみる。

米原万里の「愛の法則」

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)

米原万里さんの講演を文字に起こしたもの。
彼女がなくなる直近の講演だったらしい。

アメリカ人がいうグローバリゼーションは「アメリカの基準を世界中の基準にしようとする」で、日本人がいうグローバリゼーションというのは、「世界の基準に日本があわせていこうという動き」で考え方が全く逆。

とか、

英語を公用語にしようという話はよく出てくるけれど、普通は自分の国の言葉を捨てて、他国の言葉を公用語にしようなんて考える国はありえない。
日本は周りが海に囲まれていて今まで力で侵略されて言葉も強制された経験がないからこその考え方。

とか、

小学校3年生で親についてプラハに行くことになって、チェコ語を学んでも日本に戻ってからなかなか触れにくいからと、ソビエト学校に行くことになった。なにもわからない、いっさい言葉が通じないところに毎日まいんち通わなくてはいけないのは、苦痛を通り越して恐怖だった。

とか、

ソヴィエト学校では、大量に実作品を読まされた。しかも、そのあとに必ず要約をさせられた。図書館で本を借りて返しに行くと、司書の先生が必ず要約を言わせる。立体的な読書だった。

とか、いろいろと心に来たのでした。