日々のつれづれその3

細々と続けてみる。

ソーシャルブックリーディング

毎年毎年、気になりながら何かと外出して参加できなかったちきりんさんのソーシャルブックリーディングに初めて参加しました。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150607

今年の課題本は「昭和史1926〜1945」。
本を買ったのは7月中旬だったのに、読み始めたのが遅かったので読み終わったのは今朝(8/8)というぎりぎりっぷり。
500ページの本で20年間の話なんだけれど、登場人物が結構多くて、読み流しちゃったので、うすら覚えのままの参加になってしまいました。

感想としては、自分だと気づかない視点を知ることができておもしろいものだな、ということ。
自分だとあえて選んで読まない本を読みこむ体験ができることがありがたいなとも。
ソーシャルブックリーディング自体が初体験だったので、どこまでも読み込んでいなければいけないかと思いこんでいたのだけれど、意外と大丈夫でした。
確かにみんな目を付けているところが違いそうだもんね。
とはいえ、読んだ後に、まとめたり考えたりしていたらもっと面白かったと思うのだけれど。

なんだかもっと読み込んで考えてみたい気分でいっぱいなので、引き続き気にしていこうと思ってます。
半藤さんが当初はこの本で1951年のサンフランシスコまで話したかったってあとがきのところに書いてあったので、近いうちに戦後編も読んでみたい。
(この本は半藤さんが語ったことを編集者がまとめた方式らしい)

この本を読んでメモしたことだけ書いておこ(長い。自分用)
・読んでて辛くなった。ダメになることがわかっているのに、終わりが分かっているのに、読むのが苦手なんだということに気がついた。
・加害者としての気持ちと被害者としての気持ちを、自分が時と場合によって使い分けて感じていることに気がついた。「アジアを侵略しようとしていたのは、ヨーロッパ諸国の真似をしていたに違いないからしょうがないところがたくさんある」「それにしても、中国や韓国などで日本兵が残虐なことをしたのは許せない」「開戦通告が間に合わなかったのは情けなさすぎる」「原爆も戦後のシベリア抑留もひどすぎる。勝ったからってやりすぎ」。
・動き始めたことを止めるのは難しい。始める時とは段違いの難しさが。
・自分が正しいと思い込んでしまう人々の存在って恐ろしい。武力で無理やりどうにかしようとする。クーデターとか暗殺までしてしまうなんて怖すぎる。
・「三国同盟なんて結んで本当に大丈夫なのか?」と天皇に聞かれた近衛首相が「日露戦争の時に伊藤博文明治天皇に向けて言った『もしダメだったら、位を全部返上し、戦場に行って討ち死にします』と同じ気持ちでおります」的なことを言っていて驚いた。「あなたが死ぬとかどうでもいいですけれど」とか思ってしまう。
・あまりに上の人間たちが考えなしで、統制が取れていなくて、一般の兵や国民を駒のように考えて無駄時にさせていて嫌悪感でいっぱいになった。今までは中国・韓国との戦争についての関係も「当事者たちがみんな死んじゃえば解決せざるを得ないよね」ぐらい思っていたのだけれど、今回私は「この人たちの子孫にでもよいから償ってほしい」ってちょっぴし思ってしまった。子孫は悪くないのにね。でもこう思ってしまうってことは中国・韓国の人々も「その点は許せない」って思っててもしょうがないんだよね。世界平和って本当に難しい。これまたこの本を読んでびっくりしたこと(自分に)。
・おまけでくっついていた「こぼればなし ノモンハン事件から学ぶもの」の中で司馬遼太郎にインタビューを受けた、ノモンハンで生き残りの隊長が、「瀬島龍三司馬遼太郎が仲良く対談をしていたのを見たから、インタビューは無かったことにしてほしい。理由は国を誤った最大の責任者の一人とそんなに仲良く話しているあなたには、もう信用はおけないから」。というのを読んで考えさせられた。国をおかしくした人たちが戦後の世界で偉くなってよい思いをしているようにテレビで見えちゃうのって、戦争で大変な思いをした人たちはどういう気持ちだったんだろう。ただでさえ、戦後かなりしてから帰ってきた復員兵は世間からも冷たい目で見られたり、日常生活に戻るのが大変すぎたりしたらしいのに。この視点知らなかったな。
・一般人の死亡者数を確認した。(引用⇒ https://kotobank.jp/word/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E7%A9%BA%E8%A5%B2-103358
東京大空襲:約10万人
沖縄戦:約15万人(このほかに軍・義勇軍:10万人)
・広島:12万人
・長崎:7万人
満州での1週間戦争8/17:8万人(昭和史P495:武器を投じたあと民間&軍)
・シベリアに抑留された人数:57万人⇒引き揚げ数:47万人(同上)
・もちろん他にたくさんの亡くなった人がいること。